妊娠初期から出産までの流れやトラブル

高齢出産

最近は赤ちゃんを産むママの年齢が高くなり、30才を過ぎてから、初めて妊娠する人も珍しくなくなりました。30代後半になると、流産や異常妊娠のリスクが高まるため、35才以上の出産は「高齢出産」として医学的には区別されています。とはいえ、高齢出産の全員にトラブルが起こるわけではありません。年齢を重ねたことによるメリットもあります。

高齢出産の特徴

高齢出産とは

高齢出産」という言葉がよく使われていますが、厳密にいうと、35歳以上ではじめて出産する人を「高齢初産婦」としています。以前は30歳以上の初産の人を「高齢初産婦」としていましたが、1992年に「35歳以上」に引き上げられました。
医療技術の発達により、異常があればすぐに適切な処置を行えるようになったこと、保健指導が行き渡って、高齢出産に多いといわれている妊娠高血圧症候群などを予防できるようになったことが、その理由として挙げられます。

高齢出産のリスク

高齢出産のリスク35才くらいの妊婦さんにしてみれば、「高齢」という意識はきっとないでしょう。体力的な衰えを感じるような年齢でもありません。しかし、産科的には35才以上で、さらにはじめての妊娠であると、統計的にいろいろなトラブルが起こる確率が高くなっているのは事実です。例えば、妊娠高血圧症候群妊娠糖尿病早産などの発生頻度です。子宮筋腫などの婦人科の病気や、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患などの生活習慣病をかかえて妊娠する率も増え、それが妊娠経過にも影響します。お産においても、軟産道強靭といって子宮口がかたくて聞きにくかったり、会陰部の伸びが悪かったりすることが少し多くなります。肥満であれば、皮下脂肪のために産道が狭くなってしまうこともあり、そうした理由で、お産がスムーズに進まないことが、確率的には高くなります。
とはいえ、現在は医療技術の発達により、問題なく出産できる場合がほとんどです。ダウン症を気にする人もいるでしょう。たしかに、年代を区切った統計をとれば、若干確率が高くなります。でも、高齢出産でなくても、その可能性はだれにでもあります。考えすぎは禁物であると同時に、この間題はかぎられた人たちのものではないということを頭に入れておきましょう。

染色体異常(ダウン症)の確率

年齢の高い妊婦さんが心配することとして、染色体異常の赤ちゃんが生まれる確率が増えることがあります。中でもダウン症については、ママの年齢が上がると増加することが統計的にわかっており、20代では0.1%なのに対し、35才では0.3%、40才では1%となっています。これにははじめての妊娠であるかどうかは関係ありません。

ダウン症とは

ダウン症とは23対の染色体のうちの21番目が1本多いことです。発達障害があったり、ある種の病気にかかりやすかったりしますが、適切な療育環境を用意すれば、その子なりに能力を伸ばして育つことが知られています。年齢に関係なくだれからでも生まれる可能性があり、その確率の遣いをどう受け止めるかは、それぞれの妊婦さんしだいといえます。
もしも妊婦さんが、赤ちゃんの染色体異常の検査を希望すれば受けられますので、主治医に相談してください。ただし、リスクを伴う検査もあり、調べられることにも限界がるで、十分に説明を受け、夫婦でよく話し合ったうえで決めましょう。

染色体異常(ダウン症)図解

染色体異常の出生前検査

以下の検査は希望する妊婦さんにのみ行う検査です。検査を受けるかどうかは、その内容やリスクについて医師からよく説明を聞いたうえで、夫婦でしっかりと相談した上で、慎重に判断するようにしてください。

羊水検査

ママのおなかから子宮の中に針を刺し、少量の羊水を採取します。その中にある赤ちゃんの細胞を2週間から1ヶ月間培養し、分析します。染色体異常や代謝異常の有無のほかにも、赤ちゃんに関する多くのことがわかる検査です。妊娠15週以降、超音波で観察しながら慎重に針を刺しますが、200~300人に1人の確率で流産するリスクがあります。

母体血清マーカー試験

妊娠中は、ママの血液中に、赤ちゃんに関する情報を提供してくれる物質が含まれています。そのバランスによって、21トリソミー(ダウン症)と18トリソミーという染色体異常、神経管閉鎖障害である確率を調べる検査で、妊娠15週以降に行います。4つの物質のバランスを調べるため、クアトロマーカー試験という名称で呼ばれています。ママから採血するだけなので流産などのリスクはありませんが、異常の有無ではなく確率がわかるだけです。そのため、確率が高かった場合、今度は確定的な結果がわかる羊水検査を受けるかどうか、夫婦で話し合って決めることになります。

超音波画像によるNT値測定

NTとは後頸部浮腫(首の後ろのむくみ)という意味の英語の略です。妊娠初期に超音波画像で測定した赤ちゃんの後頸部浮腫の値が一定以上に大きいと、ダウン症などの染色体異常の確率が高くなるといわれています。超音波検査で行うので流産などのリスクはありませんが、確定診断ではありません。また、どの医師も行える標準的な検査ではありません。

高齢出産のデメリット

●流産する確率が高い

35才以上の自然流産の確率は20%。全妊娠の10~15%に比べて高くなっています。

●赤ちゃんのトラブルが起こりやすい

ダウン症などの染色体異常の率はママの年齢が上がるにつれて高くなります。

●妊娠・出産のトラブルが起こりやすい

妊娠高血圧症候群や帝王切開など、妊娠・出産のトラブルが起こる確率が高くなります。

リスク予防のために

高齢出産のリスク予防高齢出産はリスクがあるという事実の受け止め方が大事です。がっかりして自信をなくしてしまわず、リスクを少しでも小さくするためにできることを積極的にしようと考えましょう。例えば年齢のせいで肥満気味の人なら、体重コントロールを頑張ったり、塩分摂取量を適正にするなど、適度な運動をするだけでも生活習慣病を改善し、妊娠に伴う合併症の発症リスクを減らせます。
そして、忙しくても自分の体を過信せず、妊婦健診をきちんと受けてください。どんなトラブルも、早期発見して対処すれば、大事に至りません。母親学級にも参加して、妊娠や出産について正しい知識を得るようにしましょう。同じくらいの年齢の妊婦さんがたくさんいて、私もがんばろうという前向きな気持ちにもなれます。

高齢出産にはメリットもある

デメリットばかりが心配される高齢出産ですが、すべてのママが難産や帝王切開を経験するわけではありません。35歳を過ぎたからといってリスクが著しく上がるわけではありません。出産は、他人と比較するものではありません。今の自分が、出産とどう向き合うのかが重要です。それに、高齢出産には高齢出産なりのメリットもあります。
高年になってから初めて赤ちゃんを授かったママ、パパは、赤ちゃんとの時間を大切にした子育てを実践する傾向が強いという、とてもよい話を耳にします。また、妊娠中には女性ホルモンが多く出るので、若返ったと感じる人もいるようです。体力的なことなどのマイナス面ばかりに目を向けず、自信と余裕を持って妊娠生活を送りましょう。

高齢出産のメリット

●経済的な心配が少ない

年齢が高い分、それまでの金銭的な蓄えがある場合が多く、経済的な不安を感じずに子どもを育てられます。

●社会権帰しやすい

妊娠まで仕事を続けてきたママの場合は、責任のある立場で働く人も多いので、出産後に社会復帰しやすいようです。

●小さな事で動揺しない

人生経験が豊富な分、妊娠や出産、育児に対して余裕を持って臨めます。

●情報収集力、判噺力がある

周りに出産経験者が多いので、出産に関するさまざまな情報を得られます。自分に合った情報を取捨選択できる判断力も備わっています。

●セルフケアできる

若いママよりも勉強熱心なことが多いので、リスクに備えた体重管理などのセルフケアにもしっかり取り組めます。

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