妊娠初期症状 – 妊娠の兆候から出産までの注意点等をご紹介

妊娠初期から出産までの流れやトラブル

妊娠初期について


おなかの中で赤ちゃんが成長していくとともに、体にもさまざまな変化が訪れます。この時期の注意点やつらい症状の乗り切り方を知っておきましょう。

受精、着床、胎児になるまでの時期

妊娠成立の仕組み図解妊娠成立の仕組み図解
最終月経1日目から妊娠3カ月の末(11週)頃までを妊娠初期と考えます。受精して、子宮に着床しても、はじめの3週頃までは、ほとんど妊娠に気づきません。
しかし、11週頃になると、子宮はグレープフルーツ程の大きさになります。その間に、乳首の変化や頻尿などといった、 超初期症状を体験しながらやがて、つわりが始まります。そのころになるとドップラーという器械で赤ちゃんの心音を確認できるようになり、流産もしないで、無事に妊娠が進んでいることがわかります。赤ちゃんの体も小さいながらでき上がって、顔の形もはっきりし、手足の動きも確認できるようになります。つまり、受精から着床をへて、脂芽と呼ばれる時期から、胎児になるまでの時期か妊娠初期になります。

妊娠初期の兆候

妊娠初期の兆候
妊娠したかも?と思い始めるころ、体には妊娠を確信させるような様々なサインがあらわれます。体がどのように妊娠を伝えてくれるのか、人によって個人差があります。以下に紹介するのは、初期によくみられる妊娠の兆候です。
疲れ 吐きけ・つわり 月経の遅れ 基礎体温の高温期が続く 少量の出血
味覚の変化 胸の変化 腹部の不快感、張り においに敏感になる 頻尿

「妊娠の兆候」や体の変化に気づいたら…

「妊娠かな?」と体の変化に気づいたら、なるべく早く産婦人科を受診して妊娠を確認し、準備を始めましょう。子宮は少し大きくなり、赤ちゃんを育てる仕組みを整えているところです。体と心にも徐々に変化が現れるので、それを受け入れることで、妊娠したことを実感するでしょう。
この時期は、つわりや早・流産などのトラブルが起こりうる状態でもあります。赤ちゃんとママのために、十分な栄養と休息を取ること、4週に1度の定期検診を受け、体調を管理することが大切です。パパと一緒に、医師や助産師のカも借りて、妊娠初期を乗り切りましょう。

女性の月経周期と妊娠のメカニズム

月経周期・卵巣内でのプロセス図解月経周期・卵巣内でのプロセス図解
排卵について知ると、「妊娠」について理解しやすくなります。排卵とは、月に一度、妊娠を期待して卵巣から卵子が放出されることをいいます。痛みを感じるという人もいますが、多くは「今、排卵があった」ということにはまったく気づきません。排卵後、子宮も毎月妊娠に備えてスタンバイし、子宮内膜が受精卵を迎える準備をします。しかし、妊娠しなければ子宮内膜ははがれ落ちてしまい、それが血液とともに体外に排出されます。これが月経です。

妊娠初期症状と対処法


出血

妊娠初期の子宮は、胎児の体の基礎や胎盤を作る準備をしている段階で、とても不安定です。内診や性交渉などのちょっとした刺激でも出血しやすい状態です。そうした心配のない出血も多いのですが、時には流産や子宮外妊娠など、心配なトラブルの兆候であることもあります。もし出血に気づいたら、あわてずに色や量、回数などを確認しましょう。
ごく少量の出血が1回あっただけの場合は、一般に心配のないことがほとんどです。ただし、自己判断するのはたいへん危険です。重大なトラブルに発展することも皆無ではないので、念のために受診してください。出血が止まらない、おなかの痛みの症状もある場合は、すぐに病院に電話し、なるべく早く受診しましょう。

お腹の張りや痛み

子宮は筋肉でできていて、ふだんはやわらかくゆるんでいますが、緊張など、何かの理由で収縮して硬くなることがあります。この硬くなった状態が、おなかの張りです。時々張ること自体は生理現象なので、心配はありません。ただし、流産・早産など心配なトラブルの場合にも、最初はおなかの張りという自覚症状から始まることがあるので、初期に限らず、妊娠中には注意したい症状です。
おなかに張りを感じたら、15~30分くらい横になり、安静にしてようすを見ましょう。自然に治まるようなら、心配いりません。なかなか張りが治まらなかったり、張りの続く時間が長くなったり、間隔が短くなったりする場合は、少し心配です。病院に電話で状況を伝えたうえで、受診しましょう。また、張りが強くて痛みと感じられたり、出血を伴ったりするときには、トラブルの可能性が高くなります。すぐに受診することをおすすめします。

乳房が張る・乳首が痛い

妊娠すると、乳房や乳首もすぐに変化し始めます。その過程で、乳房が張ったり乳首が痛んだり。母乳を出す準備のための生理的なことなので、心配いりません。ブラジャーは、肌触りのやさしい素材で、乳房を締め付けることのないサイズの合ったものに替えす。低刺激の乳液やクリームなどを塗って、衣類との摩擦から守るのもいいでしょう。

頭痛

妊娠初期には一時的に自律神経が乱れ、頭痛を起こすことがあります。妊娠・出産・育児に対する不安や緊張も、ひとつの原因としてあるかもしれません。できれば部屋を暗くして、ひと眠りするといいでしょう。痛む部分を指で押したり、冷やしたりしてみても。逆に、温めたり、お風呂でリラックスすると良い場合もあるので、自分に向く方法を探してみましょう。

便秘

子宮の収縮を抑え、流産しにくくさせる働きのある黄体ホルモンが、腸の動きも鈍くさせ、便秘こなりやすくさせます。つわりで食べられないことも便のかさを減らすため、便秘の原因になります。食物繊維の多い野菜や海藻などで食べられるものを探し、とるようにしましょう。便をやわらかくして出やすくするためには、適度な水分も必要です。

おりものの量が増える

妊娠するとホルモンの影響で、おりものの量が増えます。色などの状態が変わらず、かゆみを伴わなければ、心配いりません。下着をこまめに替えるなどして、清潔を保つように心がけましょう。おりものシートも、使うなら頻繁に替えるようにします。
妊娠中はカンジダ腟炎などの感染症にかかりやすいので、おりものに注意を向けることは大事です。色、におい、形状がいつもと違う、かゆみがあるという場合は、受診して治療を受けましょう。

頻尿・尿もれ

少し大きくなった子宮がすぐそばにある膀胱を刺激して、トイレが近くなることがあります。おなかに力が入ったりくしゃみをしたりしただけで、尿がもれたりすることもあります。尿意があるのに我慢するのは、膀胱炎を引き起こす原因となるので良くありません。したくなくても定期的にトイレに行く習慣をつけると、我慢しなければいけない場面をなくせます。尿もれには、消臭効果もある専用パッドを使用すると快適です。ただし、清潔を保つため、もれたらすぐに替えましょう。