妊娠初期から出産までの流れやトラブル

切迫流産について


切迫流産とは、流産が差し迫っている状態をいいます。といっても、すべてが流産につながるわけではありません。安静などの適切な治療を受け、赤ちゃんの心拍が確認されれば、そのほとんどが妊娠を継続できます。

切迫流産の症状と原因

切迫流産の原因

赤ちゃんが育ってきているのに、出血や下腹部の痛みなどが認められる場合を切迫流産といいます。おもに、胎盤を作るために新しくできている血管からの出血などが原因です。心拍が確認できていれば、次第におさまってくることが多いです。

切迫流産の症状

切迫流産の受診
妊娠22週未満で出血と下腹部の痛みがある場合は、切迫流産や流産の兆候かもしれません。しだいに痛みが強くなってくるようなら注意が必要です。病産院を受診しましょう。これらの兆候があっても流産には至っていない状態が、切迫流産です。
稽留流産の場合は自覚症状がなく、健診で発見されますが、進行流産であればたいていこの2つの症状があります。ただし、痛みは主観的なものなので、あまりないということもあれば、重い感じがするだけということもあります。したがって、出血だけでも受診することが大切です。

切迫流産の診断

流産・超音波検査
切迫流産か流産かの診断は、超音波で赤ちゃんの心拍の有無を確認して行います。残念ながら流産と診断され、完全流産の状態でなければ、子宮の中をきれいにする処置を行います。その後、出血が続きますが、しだいに減っていき、1週間ほどで治まります。次の妊娠は、2~3回の月経後のほうが安心です。主治医の指示に従いましょう。

切迫流産と診断されたら

妊娠12週以降は危険
切迫流産という言葉からは、今にも流産しそうな印象を受けますが、妊娠12週未満では、実はそういう意味ではありません。性器出血があっても、超音波検査で赤ちゃんの心拍動が見られ、生存が確認された場合の診断名です。そして、そう診断された場合、そのまま流産に進行することはまずありません。出血があるので安静にして様子を見ますが、大きな心配はないと考えて大丈夫です。安静については主治医の指示に従いましょう。
一方、12週以降の切迫流産は、流産が心配な状態ととらえていいでしょう。早産が心配な切迫早産と同じです。原因に応じて流産に至らないようにする治療を行い、おなかの張りを抑える子宮収縮抑制剤を使用することもあります。

切迫流産の対処法

一番の治療法は、安静にすることです。症状により、自宅で安静にする場合と入院が必要な場合があります。一概に安静と言っても、その度合いには差があります。自宅で安静にする場合は、してよいこと、してはいけないことを具体的に確認しておく必要があります。

流産の予防

日常生活の基本は「無理をしすぎないこと」。ただ、流産の原因の多くは赤ちゃん側にあり、避けられなかったものです。なので、「あのとき、重いものを持ったから」などと自分を責める必要はまったくありません。以下に流産を防ぐ為の生活上の注意ポイントについて紹介します。

●過労や睡眠不定をさける


長時間の立ち仕事を続けたり、家事をがんばりすぎたりと、つい無理をしてしまうことのないように。疲れをためないようにしましょう。

●おなかを冷やさない


冬場はもちろん、夏の途居対策も忘れずに。腹帯やソックスをいつも手元においておきましょう。

●はげしいスポーツを控える


旅行や長時間のドライブ、運動量の多いスポーツは控えます。迷うときは医師に相談すると安心です。

●ストレスはためすぎない


不安や悩みは家族や友人、医師に相談して、早めに解決します。ゆったりとした気持ちで毎日を過ごしましょう。