つわりについて
つわりは誰にでも来るものです。つわりの症状にはピークがあり必ず落ち着き、終わる時期がきます。そらまで何とか乗り切りましょう。
つわりとは?
生理が遅れて「もしかして妊娠?」と思うころから、胃の不快感や吐き気をともなうつわりが始まります。なかにはつわりがなかったという人もいますが、ほとんどの人になんらかの症状が現れます。
つわりのピーク(時期)
一般には、妊娠4~6週ぐらいから始まり、12~16週ぐらいには落ち着いてくる場合がほとんどです。つらさのピークは妊娠7~9過ごろという人が多いようです。とはいえ、10週ぐらいに早々と症状から解放されてしまう人もいれば、赤ちゃんが生まれるまですっと続いたという人もいます。期間もさまざまなら、症状の程度もさまざま。いつもよりムカムカする程度の軽い人もいれば、つわりの期間中、寝込んでしまうほど重症の人もいます。
つわりの原因
有力なのは、子宮内の、将来胎盤になっていくところから、妊娠を継続させようとするホルモンが出て、嘔吐中枢を刺激しているのではないかという説です。また、人には体の中に入ってきた異物を排除しようとする働きがあり、妊娠の場合は赤ちゃんが異物とみなされ、つわりはそれに対するアレルギー反応を起こしているのだとも考えられています。
いずれにせよ、女性の体の中ではこれまでにない劇的な変化が起こっているので、体の機構がそれに付いていけなくなることもあると思います。それでも体内の水分量が多くなったりすれば、吐いたり、尿を多くしたりと、自然に調節し、赤ちゃんにとって最高の環境を作り出そうとしているのです。
つわりの症状
●吐き気や嘔吐
胃がムカムカして吐き気が続いたり、食後に吐いたりします。
●食欲がない
吐き気のせいで食欲が落ちたり、食べ物の好みが変わったりします。
●いつも眠い、だるい
体が重くだるかったり、眠気を感じるのもつわりの症状の一つです。
●空腹時にムカムカ
おなかがすくと気持ちが悪くなり、食べると落ち着く人もいます。
●においに敏感になる
嗅覚が敏感になり、食べ物のにおいをかぐと吐き気を感じることも。
●唾液がロにたまる
つわりの初期に唾液が口の中にたまる気持ち悪さを感じることも。
こんなときは病院へ
つわりの多くは時間がたてば、自然に治まりますが、中には治療が必要な場合もあります。以下のような症状があったら、病院を受診しましょう。
●1日に3、4回吐いて、食事がほとんど食べられない
●体重が1週間で1~2kg減ってしまう
●尿の量が減っている
●水を飲んでも、吐いてしまう
無理をせずに食べたいものを食べる
食事管理はつわりが治まってからで大丈夫です。つわりでやせてしまうこともありますが、この時期の赤ちゃんはママの体に蓄えられている栄養を吸収して育っているので、心配はいりません。
つわりが治まったら、意識を切り替える
つわりが治まったら、すぐに意識を切り替えることが大切です。今まで食べられなかった反動で食べ過ぎたり、食べづわりの時の食習慣に流されて、食欲のままに食べ続けることのないように注意してください。
水分は多めにとる
つわりのときは、できるだけ水分をとることを心がけてください。嘔吐を繰り返すと、体内の水分やミネラル分が失われ、脱水症状を起こす危険性があります。嘔吐がひどいときほど水分をこまめにとることが必要です。
つわりを乗り切る食事アイデア
●のど越しがいいものや冷たいもの
豆腐など、のど越しのいいものはつわり中でも食べられることがあるのでおすすめです。
冷やすとあまりにおいがしなくなるのでより食べやすくなります。
●枕もとにビスケット
起きぬけに、空腹で胸がムカムカするつわりの場合は、枕もとにビスケットやクラッカー
を置いて、すぐ口に入れられるようにしておくと朝が楽になります。
●酸っぱいもの
一般的に、つわり中でも酸っぱいものならおいしく食べられることが多いようです。酢の
物やマリネ、グレープフルーツなどを試してみるといいでしょう。
●小分けにして食べる
食べつわりのママは、食事を小分けにしましょう。すぐ食べられるよう、小さなおにぎりをたくさん作りおきしておくのがおすすめです。
朝、ムカムカする
朝はおなかが空っぽになっているため、ムカムカして気分が悪くなりがちです。少しでも何かおなかに入れると、治まることも多いものです。目が覚めたらすぐに食べられるように、まくら元にクッキーやパンなどを用意しておくといいでしょう。また、軽度の脱水症状がムカムカの原因のことも。起きてすぐコップ1杯の水を飲むのもおすすめです。
食べられない
赤ちゃんのために食べなくては…と考えすぎるのは、ストレスになり逆効果です。水分補給さえまめにできていれば大丈夫と考えましょう。食べられなくても飲むものがとれるなら、野菜のスープなどを試してみるのもおすすめです。少しでも栄養がとれますし、塩分もとれて脱水の予防にもなります。ただし、何日も食べられない日が続いてつらければ、医師に相談をしましょう。
においが気になる
においに敏感になる人は多く、何か特定の食べ物のにおいが苦手になることもあります。このにおいなら大丈夫という薬味やスパイスなどがあるなら、それをかけてごまかすといいでしょう。何でも冷たくするとにおいが気にならないという人も。食べ物以外でも、家や化粧品、男性の整髪料のにおいなどが苦手になったりもします。マスクをする、窓を開けて換気するなどの工夫をしましょう。
吐いてしまう
嘔吐はつわりの代表的な症状です。吐いた後は肉体的にも精神的にもグッタリしてしまい、つらいものです。一口サイズのシャーベットなど、吐き気を呼びにくいものを試してみてください。嘔吐を繰り返すと、心配なのは脱水症状です。水分だけは少しずつでもまめにとり、それも難しい場合は受診しましょう。
歯をみがけない
つわりの時期にロの中の衛生状態が悪くなり、むし歯や歯肉炎になることもあります。歯みがき粉の味やにおいがダメなら、ブラッシングだけで大丈夫です。歯ブラシを口に入れるのだけでも無理という人は、せめて食後に口をゆすぎましょう。水、お湯は、どちらでも大丈夫なほうで。
飲めない
食べられなくても、水分だけはとる必要があります。水でもスポーツドリンクでもお茶でもジュースでも何でもかまわないので、少しずつ口に含み、飲み込んでみましょう。氷をなめたりかじったりして水分を補給するのもいいでしょう。どうしても飲めない、飲んでもすぐ吐くというときは受診しましょう。点滴で水分を補います。
眠くてたまらない
いくら眠ってもまだ眠いというのは、妊娠初期によくある症状のひとつです。「安静にして過ごして」という赤ちゃんからのサインと考えましょう。もちろん、1日中寝ている必要はないわけですが、事情が許すなら好きなだけ眠ってもかまいません。この時期、急に眠気が襲ってくることもあるので、車の運転は控えたほうが安心です。
体重が減っていく
女性はもともと体に蓄えている脂肪があるので、多少体重が減っても心配することはありません。赤ちゃんの発育にも影響ないでしょう。ただし、つわりの症状が重くて、体重が週に1~2kg以上減るようだと、水分もとれていない可能性があります。脱水が心配なので、受診してみてください。
いつも食べていたい
常に何か食べていないと気持ちが悪いという人もいて、「食べづわり」といわれたりするようです。確かに空腹だとムカムカしやすいということはあるので、何かおなかに入れるのはいいでしょう。ただし、太りすぎやむくみの予防のため、カロリー、塩分が低いものを選びましょう。ノンシュガーのガムやあめなど、口の中に長くとどまるものもおすすめです。