妊娠初期から出産までの流れやトラブル

妊娠後期の食事


妊娠後期になり、おなかも大きくなったと思います。胃が圧迫され一度にたくさん食べられないこともあります。少量でも栄養は十分にとることが必要な時期です。カロリーを抑え、栄養はバランスよくとりましょう。

妊娠後期の食事の注意点

少量ずつ必要量を分けて食べる

少量ずつ分けて食べる
胎児が大きくなるにつれて、子宮が胃を押し上げるので、少し食べただけでもおなかがいっぱいになります。胃がもたれる感じもあるかもしれません。そこで1日の食事回数を増やし、1日の必要量を分けて食べるように工夫します。1日にとるべき食品の種類と量を考えて献立を考えます。そして、それを1回ごとに配分して食べるようにすればよいでしょう。お菓子などで代用しないようにしましょう。

塩分、水分の量は妊娠前の半分程度に

塩分のとり過ぎに注意
妊娠後期で注意しなければならないことは、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)です。むくみが代表的な症状ですが、むくみがなくても、塩分、水分をとり過ぎないように注意しましょう。減らし方の目安は、妊娠前の半分くらいと思えばいいでしょう。
むくみや血圧が高い場合などは、塩やしょうゆ、みそなどの調味料を減らすだけでなく、干物やバター、パン、梅干し、漬物なども食べないようにします。薄味の料理をおいしく食べるコツは、だしをしっかりとり、旬の素材を使うことです。
そのほか、薄味を補う方法としては、みょうがや、しその葉(大葉)三つ葉、しょうがなどの香味野菜を使うことです。また、レモン、ゆず、果実酢などの酸味をじょうずに生かすなどがあります。料理の味つけが濃いと、つい水分が欲しくなるので、どちらのためにも薄味がポイントです。

妊娠後期の体重管理

妊娠後期の体重管理
9ヶ月になると、赤ちゃんは骨盤のほうへ下がってきます。こうなると、胃もらくになり食欲も増してきます。しかし、ここが重要です。食欲にまかせていると体重はますます増えてしまいます。後期になったら、1ヶ月の体重増加は1kg以上にならないように心掛けましょう。それ以上増えるのは良くありません。栄養は必要ですが、余分なお菓子などは我慢しましょう。必要な栄養を十分にとり、体重管理をしっかり意識しましょう。

必要な栄養素は量より質で!

新鮮な素材を!
カルシウムは妊娠前の約2倍、鉄分は約1.5倍、たんぱく質やビタミンA、B類も多めにとることが必要です。特に、貧血ぎみの人は、赤身の肉やレバー、青魚、緑黄色野菜や海草などを積極的にとるようにしましょう。量をふやすというより、質の高い素材を選んでカロリーはオーバーにならないようにします。素材が新鮮なら、それだけでもおいしく食べられます。

陣痛中の食事

陣痛中の食事・サンドイッチ
陣痛が始まっても、初産の場合、出産までは平均14時間程度かかります。「生まれてから食べよう!」と我慢すると陣痛が強くなってきて食事どころではなくなるかもしれません。軽い陣痛のうらに、消化のよい栄養価の高いものをとっておきましょう。お産で消費する体力は、3000メートルの山に登るのと同じくらいといわれています。あわてずに出産のためのエネルギーをしっかり補給しておくことが重要です。
手軽に食べられるサンドイッチやおにぎり、プリン、具がいっぱい入った雑炊などを、陣痛の合間にとっておくといいでしょう。陣痛が強くなってきたら、ジュースや麦茶など飲み物だけにします。のどもかわくので、痛みと痛みの間はできるだけリラックスして水分補給をしておきます。最後の勝負なのでがんばりましょう。