妊娠中の定期検診
妊娠中に受ける定期検診では、妊娠の時期に合わせて、受ける検査の項目が変わります。健診では妊娠経過をチェックする検査と問診が行われます。
定期(妊婦)健診とは
たとえば、軽い腹痛がありながら、たいしたことではないと見過ごしていたところ、本当は危険信号だったり、何の自覚症状もないまま、 妊娠高血圧症候群になりかかっていたりすることもあり得ます。こんな場合でも、きちんと定期健診を受けていれば、早い時期に発見され、適切な処置を受けられます。定期健診で、大事に至ることを回避できます。
定期(妊婦)健診の主な内容
病院によって多少異なりますが、毎回行うものとしては、体重、腹囲、子宮底長、血圧の測定、むくみ(浮腫)のチェック、尿検査、赤ちゃんの心音検査などがあります。その他、必要に応じて、超音波検査、内診、貧血検査などが行われることもあります。これらの結果はすべて、母子手帳に記録されます。
●体重測定(毎回) | ●尿検査(毎回) | ●血液検査(全期間) |
太り過ぎはトラブルの元になるので、体重増加が適正かどうかを調べます。 | 妊娠中毒症や妊娠糖尿病のチェックのため、尿タンパクや尿糖を調べます。 | 母体の血液を採取して、血液型や貧血、感染症の抗体の有無などを調べます。 |
●血圧測定(毎回) | ●超音波検査(全期間) | ●内診 |
妊娠中毒症の早期発見のため、高血圧になっていないかどうかを調べます。 | 超音波〈エコー)を使って、胎児心拍や発育、推定体重などを調べます。 | 医師が触診や視診で、子宮頸管や子宮口、腟の様子などを調べます。 |
●子宮底長(中期以降、毎回) | ●浮腫(むくみ)検査(毎回) | ●子宮頸がん検査(初期) |
子宮の大きさや太り具合を見るために、おなかをメジャーで測ります。 | 妊娠中毒症の早期発見のため、足のすねや甲を押して、むくみを調べます。 | 腟と子宮頸部の細胞をこすり取り、ガンの心配がないかどうかを調べます。 |
●クラミジア検査(初期) | ●HIV検査(後期) | ●NST(後期) |
流産・早産の予防のため、子宮頸管の分泌物を採取して感染症の有無を調べます。 | 血液を採取して、HIV(エイズの原因のウイルス)の有無を調べます。 | 赤ちゃんの元気度を測るために、胎児の心拍数を調べるテストです。 |
健診の主な流れ
①受付
②問診票に記入(初診のみ)
③尿検査
④体重測定
⑤腹囲や子宮底長測定
⑥内診
⑦超音波検査
検診で聞きたいことをメモしておく
病院の規模やシステムによって違いはありますが、定期健診というと、待ち時間が長いわりに診療時間が短くなりがちです。わからないことは、その場できちんと質問しておきましょう。不安材料を残しておくと、次回の健診まで悶々とした日々を送らなければなりません。
とはいえ、1人あたりの診療時間にはかぎりがあるので、質問の要点はしぼっておくことが大切です。緊張してしまう人は、あらかじめ聞きたいことを箇条書きにしたメモを持参するとことをおすすめします。