妊娠初期から出産までの流れやトラブル

逆子について


頭を上に向けている姿勢を逆子といいます。しかし、逆子でも心配する必要はありません。ほとんどの場合は自然になおります。

逆子の特徴

逆子とは

逆子の赤ちゃん
赤ちゃんは妊娠後期になると、頭をと、下にした頭位と呼ばれる姿勢になるのが一般ですが、中には頭を上にした骨盤位(逆子)になる場合もあります。妊娠中期ごろまでの赤ちゃんは、半分以上が逆子の状態ですが、30週頃までの逆子の場合は心配する必要はありません。逆子がなおらない人は少数で、ほとんどの場合、赤ちゃんがみずから回転して正常な頭位になるからです。30週ごろのさかごの割合は全体の14%ぐらいですが、そのあとでもまだ位置を変える赤ちゃんは多く、最終的にさかごのままお産を迎えることになるのは、全体の3~5%程度になります。
32週を過ぎると、赤ちゃんも大きくなり、羊水の量も減ってくるので、自然になおるのは少し難しくなってきます。その場合は、医師と相談して対応策を考えていきます。

逆子の原因

子宮筋腫で子宮内にデコボコがあったり、胎盤が子宮口付近についていることが逆子の原因になっていることもありますが、大半は、こうしたことと関係なく逆子になっている場合が多いようです。赤ちゃんにとって、その姿勢が心地よかったということなのでしょう。

逆子の種類

逆子の種類図解

単殿位(たんでんい)


赤ちゃんのお尻が全部下になっていて、足は上向きになっている状態です。この場合は自然分娩で出産することができます。

複殿位(ふくでんい)


赤ちゃんのお尻は下になっていて、膝が曲がっている状態です。その中で体育座りのように両膝が曲がっている状態を全複殿位、片膝のみ曲がり片足を上にあげているのならば不全複殿位といいます。お尻が足よりも確実に下になっている場合は自然分娩でも可能ですが、単殿位よりもリスクは高くなってしまいます。

膝位(しつい)


膝を曲げて、膝が一番下になっている逆子の状態です。片膝だけの状態なら不全膝位、両膝ついている状態であれば不全膝位といいます。この場合は、帝王切開での出産になります。

足位(そくい)


赤ちゃんが足をのばし、足が下になっているケースのことをいいます。おなかの中で立っているような状態です。両足をのばしていれば全足位、片足だけをのばしていれば不全足位といいます。どちらも帝王切開での出産になります。

破水には注意が必要

逆子と診断されたからといって、特別な生活を送ることはありません。ただし、もし破水してしまうと、頭位のように頭が子宮口に栓をしてくれるわけではないので、注意が必要です。羊水が流れ出すと、臍帯が一緒に出てしまう危険があるからです。
破水かなと思ったらすぐに受診しましょう。最近は、逆子の場合、ほとんどが帝王切開になると思いますが、頭の次に大きいおしりが下になっている場合は、自然分娩も可能です。

逆子を直す

逆子を直す方法

逆子を直す方法に、逆子直し体操鍼灸外回転術などがあります。いずれも確実に逆子がなおるというものではありません。行う場合は、必ず医師の許可を得てからにしましょう。
逆子直し体操は、両ひざと胸を床につけてお尻を高くしたり、横を向いて寝る姿勢をとって行います。灸は、三陰交と至陰という足のツボに、小さなもぐさを使って刺激を与えるものです。また、外回転術は、医師がおなかの上から手を当てて赤ちゃんを回す方法ですが、行う施設は限られていて、まれに早産や常位胎盤早期剥離が起こるリスクがあるので、現在は積極的に行われていません。

逆子直し体操のコツ

胸膝位(きょうしつい)


両ひざと胸を床につけ、お尻をできるだけ高く持ち上げます。

側臥位(そくがい)


①赤ちゃんの背骨がママのお腹の右側にあるときは左半身を下にします。 
②赤ちゃんの背骨がママのお腹の左側にあるときは右半身を下にします。 

逆子体操図解

逆子を直すための日常の注意点

●楽な姿勢


ママが楽な姿勢をとっているときは、おなかの赤ちゃんも楽な状態です。

●体を締めつけない


おなかに緊張を与えないために、ガードルや腹帯はできるだけつけないようにしましょう。

●リラックスして過こす


精神的に緊張していると、どうしても体も緊張しがちです。時々深呼吸してリラックスしましょう。