妊娠初期から出産までの流れやトラブル

妊娠線


妊娠線は出産後は目立たなくなるとはいえ、できないに越したことはありません。体重の増えすぎに注意するほか、クリームで保湿するのも効果的です。パパに優しくクリームを塗ってもらえば、今しかできないスキンシップにもなります。

妊娠線の特徴

妊娠線とは?

妊娠線は、妊娠中のお母さんのおなかに現れることのある、ほんのりと赤みを帯びた線のことです。おなかだけではなく、胸やおしり、太ももなどにできることもあります。妊娠によっておなかや胸が大きくなり、皮膚が急に伸ばされることで現れてくるものです。
皮膚は、上から、表皮、真皮、皮下組織からできています。妊娠して皮下組織の中にある脂肪細胞が急に大きくなると、表皮はそれにともなってある程度は伸びるものの、真皮や皮下組織は、その伸びについていくことができずに、断裂してしまいます。断裂したところからは、その下にある毛細血管が見えます。それが伸びて薄くなった表皮を通して透けて見え、これが妊娠線になります。

妊娠線・皮膚の構造図解

妊娠線は皮下脂肪のつきやすい部分に起こる

おなかが一番できやすい
妊娠線が一番できやすいのはおなかですが、そのほか、妊娠週数が進むにつれ乳腺が発達し、大きくなっていく乳房にもよく出ます。さらに、おしりや太もも、二の腕、ふくらはぎなど、皮下脂肪がつきやすいところはみな、危険ゾーンです。実は、妊娠線は妊娠中でなくてもできます。例えば思春期がそうです。妊娠中ではないので妊娠線とは呼びませんが、急に皮下脂肪がついて女性らしい体型に変わるときに、おしりや乳房にできることがあります。いずれにしても、妊娠線は急激に皮下脂肪が増える部分に起こりがちなトラブルです。

妊娠線は妊婦さんの約7割に現れる

妊娠線には個人差が…
妊娠線は、すべての妊婦さんにできるわけではありません。できるのはだいたい7割の人です。3割の人は妊娠線ができずにお産を迎えます。できる、できないの差は、一体どこにあるのでしょうか?
妊娠線ができるのは、おなかが急に大きくなったときです。たいてい、おなかが大きく目立ち始める妊娠7ヶ月ごろからできるようになります。おなかの大きくなる大きさは、人によって個人差があります。多胎妊娠の場合や小柄な人は、おなかがせり出すような感じで、おなかもどんどん大きくなりがちです。その分、おなかの皮膚が引き伸ばされますが、これはしかたありません。また、肌質によっても、できやすい、できにくいがあります。一般に、皮膚がカサカサしていて弾力のない人はできやすく、しっとりしていて伸びのいい人はできにくいようです。これも、持って生まれたものなので、ある程度はしかたないといえるでしょう。
妊娠線の予防

妊娠線は完全には消えない

妊娠線は完全には消えない
できてしまった妊娠線は、出産後、少しずつ色が薄くなって目立たなくなります。しかし、残念ながら、断裂した真皮や皮下組織が、完全に修復することはありません。それが、妊婦さんが妊娠線を作りたくないと強く思う理由です。妊娠線が出やすい時期のピークは、皮下脂肪が急激に増えることが多い妊娠8ヶ月ごろからですが、早い人では5カ月ごろにできてしまうことも。つわりが終わり、猛烈な食欲で体重が急増する人も出てくる時期だからかもしれません。まだあまりおなかが目立たないからと油断することなく、早い時期から妊娠線クリームなどでのケアなどを始めたほうがよいでしょう。

クリームやオイルなどを塗って予防する

妊娠線をなるべくできないように、また、できても最小限にとどめるための方法はあります。まず、急激な体重増加を避けること。おなかが大きくなるにしても、少しずつならいいわけです。そして、皮膚になるべく潤いを与えること。乾燥しないようにクリームオイルなどを塗って、よくマッサージしておきましょう。大きくなった胸や太ももなどにも、同様のケアをしておきます。妊娠線ができてしまうと、がっかりして、それまで続けていたケアをやめたくなります。でも、さらにひどくしないためにも、最後までケアは続けてください。

妊娠線予防のためのマッサージ法

妊娠線予防マッサージ図解

毎日お風呂上りに妊娠線ケアのための保湿クリームを利用して行ないます。おなかだけではなく、おしりや乳房など妊娠線の出やすい部分もケアしておくと良いでしょう。

※おなかが張っているときは中止しましょう。

妊娠線を予防するコツ

●体調管理をしっかり


甘い物や炭水化物、油分のとり過ぎに注意します。

●脂肪の付きにくい体にする


まめに体を動かし、脂肪が付きにくい体でいましょう。

●お肌に潤いを


皮膚の乾燥を防ぐために、クリームなどで保湿、マッサージをしっかり行ないましょう。

●お風呂につかる


シャワーで済ませずに、お風呂につかれば、皮膚の血行が良くなります。保湿効果のある入浴剤を使えば一石二鳥です。

●腹帯やガードルも使用


腹帯やマタニティー用のガードルで適度におなかを支えると、皮膚が伸びすぎず、妊娠線の予防になります。

●鏡でチェック


大きなおなかの下側はママの目からは見えません。鏡を利用してチェックしておきましょう。